かあいがもん「お父さんの日記」

早いもので長男は29歳、次男は21歳になりました。

YouTubeで失敗続きなのでドラムでウマ娘を叩いてみようと思う。

今回の話はざっくり言うと46歳が迷走している話だ。

 

もう9年ほど前になるだろうか「YouTubeでドラマを作りたい」と思ったのは。

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少しの実力とだけで俳優の仕事を続けてこれた私は、いつか自分の仕事が無くなり職業が俳優とすら言えなくなる日が来るのではないか、という不安が常々あった。

 

ご存知ない方も多いだろうから説明させてもらうと、私は35年ほど俳優の仕事をしている。2時間のサスペンスドラマで殺したり殺されたりする事が多い知る人ぞ知る地味な俳優なので興味のある方はウキペディアで調べてみて欲しい。

 

 

時代は物凄い早さで移り変わっているし仕事は待っているだけでは来ないかもしれない。自分みたいなタイプは演じる場所が無くなれば俳優ですらなくなる。何もせずチャンスを待ってるだけではなく自分から何か行動しなければ。そう思っていた。これが迷走の始まりだったのかもしれない。

 

 

そんな時、YouTubeのとある動画に出会った。

 

それは特撮などで見る合成映像が誰でも作れるというYouTubeの映像技法解説みたいな動画だった。

 

ドッカーン!と爆破する合成だったり、車に人がぶつかってとばされる合成だったり。(現在はVFXっていうんですかね?)

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今ではそう言ったものを無料ソフトでとんでもないレベルで作るYouTuberとか当たり前の様にゴロゴロといらっしゃるが、その当時はそれぐらいの映像ですらハードルがかなり高く専門職でもない人が個人的に制作するのは不可能だと思っていた。

 

しかし海外YouTube動画などを色々と探していくと、そう言った映像技法の作り方を趣味で作って公開している人が結構いらして、私はそれに衝撃をうけた。そして

 

「あれ?ひょっとして、そんなに膨大な製作費が無くても合成を使ったドラマとか作れるんじゃね?YouTubeでミニドラマとか誰もやってなくね?誰か一緒に作ってくれないかなぁ」

 

と思い、所構わず色んな人にその話を熱弁していたら偶然知り合った映像制作会社のプロデューサーが興味を持ってくれた。

 

 

「とりあえず、ドッカーン!ババーン!って爆破だったり車に跳ねられたりしてみたいッスね」

 

と、YouTubeで見たまんまのことを話していたらどんどん盛り上がり、勢いでYouTubeで私が主演の全5話の合成を使ったミニドラマを制作してもらえる事になった。

 

タイトルは「ギャモン」

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「宇宙警察ギャバン」とは全く何も関係ない正義の味方のドラマだ。オープニング曲まで作ってもらい、カッコいいドラマに仕上がった。アニメーションも入ってる。

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合成以外にもプロジェクションマッピング、タイムラプス、タイムリマップ、トラッキングなど様々な映像技法を使い、それらのチュートリアル(映像技法解説)も公開も同時に公開する少し変わったYouTube特撮ドラマで、こういう世界観になった。

 

9年前YouTubeドラマだがよかったら見てもらいたい。一話が数分の短いものだ。全部で5話ある。

 

第一話 

 

そして劇団スカッシュというYouTubeで「隙間男」というドラマを作って1週間で1500万再生を記録し大成功させた劇団ともコラボしてもらい宣伝もした。

 


www.youtube.com

 

今見ると色々とツッコミどころ満載だが、YouTubeのショートドラマとしてはとても良く出来ると思っている。9年前YouTubeのドラマでこの映像技術はなかなかだと思うのだが。

 

「ヤベェ、これバズってしまうんじゃね?」

 

と、私としてはふんぞりかえるぐらい自信満々だったのだが、残念ながら再生回数は伸びなかった。予想に反しまくってに伸びなかった。

 

何故だろう、タイトルがいけなかったのだろうか。

 

私が正義のヒーローをやっているのがいけなかったのだろうか。

 

私は少しばかりテレビに出て認知はされていても人気はないという事実をしっかりと突きつけられた。

 

そして「ギャモン」の次回作を作る話しはすぐに消えた。すぐに消えたの。すぐに消えたの。

 

YouTubeドラマなのでかなり予算を抑えたとはいえ個人で出すにはなかなかしんどいぐらいの予算がかかっていたので制作会社としては続けるメリットは無いと判断したのだろう。残念だが当然だ。数字的に結果を出せず終わったが、むしろ私の提案を面白がって制作してくれた事に心より感謝している。

 

 

その後YouTubeでドラマを作りたい熱は落ち着いていたのだが、しばらくしてまた熱が復活した。

 

5年ぐらい前の事だろうか。

 

一眼レフで動画を撮影するとまるで映画のフィルムで撮影したような美しい色味になる事YouTubeで知った私は

 

「あれ、もしかして一眼レフひとつあれば自分でも映画みたいなカッコいいショートドラマを作る事ができるんじゃね?」

 

と大興奮して、すぐに5DMARK2という動画も撮影出来るキャノンの一眼レフを中古を買いに走った。

 

そして私はそのままの勢いでショートドラマの脚本を自分で書き始めた。脚本なんか書いた事は一度もないけれど。

 

とりあえず、一眼レフの色味を鮮やかに表現するためには「血」の赤色とか良いんじゃね?と私はひらめき、冒頭は薄明かりの漏れる廃墟の様な所で縛られてブン殴られて鼻血を出してるシーンから始める事にした。

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殴る男、そしてそれを後ろで見ている殺し屋の様な男。そしてその男は中国語らしき言葉で何かを言う。そんな冒頭にした。

 

これは何か大きな事件が起こりそうな始まりだ。ヤヴァイ、ワクワクが止まらない。

 

しかしそれだけだとただのバイオレンスな物語になってしまうから最後はコメディで締めたいと思いこういうショートドラマを書いた。よかったら見てもらいたい。(5分くらい)

(※年齢制限で見れない場合があります)

 

 

私の息子(長男当時22歳)が撮影で、先輩の役者さんに手伝って貰い廃墟スタジオを借りて半日ほどで撮影した。

 

機材代は一眼レフだけなので一切かからず、みんな手弁当で手伝ってくれたので、かかった予算はスタジオ代と諸々の小道具の3万円ぐらい。あとは編集ソフト(AdobeのPremierePro)を月額で契約した。

 

「これ、すげえ面白いんじゃね?」

 

と、自信満々に公開したのだが残念ながら思う様に再生回数は伸びなかった。予想以上に反して伸びなかった。

 

サムネが良くなかったのだろうか。

 

いや、やっぱり冒頭からバイオレンス的になってしまったのがいけなかったのだろうか。

 

ブログが少しばかり面白いといわれて調子にのって書いた脚本はイマイチだったようだ。でも最後のオチは最高だったと思いたい。

 

一本では結果は出ないだろうし、その後も作り続けるつもりでいたが、ワクワクする脚本が全く思いつかず長い時間が過ぎていった。

 

2年ほど前だろうか。

 

仲の良い俳優から

 

「自主制作の映画の監督をするから手伝って欲しい」

 

と言われた。

 

もちろん私はOKだと答えたのだが、よく聞くとオファーは俳優としてではなく音声さんとしてだった。

 

 

「俳優としての出演は全く無しですかい?完全に音声さんとしてのオファーでございますかね?」と何度も聞き返したが間違いないようだった。

 

撮影現場では音声さんの仕事は現場ではいつも見てはいるがやった事など一度もない

 

オファーしてくれた理由を聞いたら「どうせやるなら信用が出来る人とやりたいんですよ」との事。

 

意味がわからなかったが、ここでいう「信用できる」というのは恐らく辛い現場でもバックレないという事なんだろう。予算が無い自主制作映画の現場とかは大概は過酷だし。

 

私は音声さんの仕事を引き受ける事にした

 

音声機材の使い方は教えてくれると人がいるという事だったので、自分でまたYouTubeドラマ作る時の役に立つだろうし、楽しそうだな思ったから。

 

これはその時の写真だ。「働き方改革とはなんぞや」と思うぐらい過酷な現場だったがとても勉強になった。

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そして、これをきっかけに私はまたYouTubeでドラマを作る熱が出てきた。

 

そして去年に、またYouTubeでドラマを作る事にした。

 

何か作りたい。そしてYouTubeでやるなら何かこう、テレビでは出来ない様なYouTube的なドラマを作りたい。何がYouTube的かはわからないが。

 

今度は自分で脚本は書かないで色んな人に脚本をお願いしてみた。

 

その中で友人の俳優(山口森広)が書いてくれたものが、とても面白く自粛期間中でもすぐ撮影に取り掛かれそうだったのでその脚本で作ろうと決めた。

 

どんな話かというと、仮面ライダーショッカーのパロディ的な感じの話だ。

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いつも黒いタイツ姿で「ヒー!!」と言ってるショッカー達どんな日常を過ごしているんだろう?という所からアイデアが生まれた。

 

彼らはどんな労働環境なんだろう、出動前は何してるんだろ。何を目指してショッカーになったんだろう、などなどの隊員達の会話劇だ。昔何かのCMでもあった様な気がするが、それは忘れていただきたい。

 

そして「ショッカー」だと色々まずいのでタイトルは「シャッキー」にした。

 

そして、オッサンばかりだと見てられないかもしれないので若い女の子もキャスティングさせてもらった

 

私も今までにないイメージチェンジをした。

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チェンジし過ぎた。

 

予算はスタジオ借りたり、機材を借りたり、衣装を揃えたらキャストに出演料を払ったり、手伝ってくれたスタッフに謝礼を払い、リハーサルが一日、撮影が一日で予算が40万円ほどかかったと思う。

 

これだけの規模でもキチンと支払うとまあまあかかるものだ。

 

興味が出て来たら見てほしい。音声をすこしかじった事でセリフも聞こえやすくなっているかと思う。(一話が五分ぐらいのショートで全部で5話ある)

 

第一話

第二話

 

とてもとてもとても面白いと私は思う。

 

が、これがまた再生回数は大爆死だった。今まで作ったモノより更に伸びなかった。自分のチャンネルで出した「45歳で金髪にしてみた」の動画より伸びなかった。

 

いや、わかってる。痛いほどわかっている。このご時世は面白い映像コンテンツが溢れに溢れかえっている。面白いドラマや映画が観たいなら当然Netflixアマゾンプライムでみるだろう。人が自分の貴重なお時間を割いて選んで見ようと思う作品を作り出すというのはとてつもない高いハードルだという事は。

 

テレビですらあれだけ予算をかけて沢山のプロが力を合わせて作っていても視聴率に悩むのだから。

 

失敗して、改良して続けていくには小さな規模でも予算的にもなかなか難易度は高いしYouTubeといえど軽いノリでドラマに手を出してはいけなかったのかもしれない。

 

しかし、そうは言っても悪い事ばかりでもない。自分で映像を作るようになってから「いつか仕事が無くなり自分の職業が俳優とすら言えなくなる日が来るのではないか」という不安は不思議となくなった。いや、たまには思う事はあるが。そして何故だか今までとは違う役や仕事のオファーは確実に増えている。もしかしたら、自分で作る様になって制作側から目線もわかる様になって何かが変わったのかもしれない。

 

それにしても見てるのと実際に作ってみるのでは偉い違いだった。

 

それでも私はこれからもYouTubeでドラマを作りたいと思っている。いつかは、いつかはVFXバリバリのファンタジーな時代劇を作りたいと野望を抱いている。

 

しかし、もしYouTubeで再生回数を稼ぎたいならドラマではなく、まずはもっと量産が簡単で更新頻度を上げられるものを作って登録者数を増やしてからドラマを公開した方が良いのかもしれない。うんそれが良いと思う。そう言った才能が無いのは分かっているが。

 

 

とりあえず何をしたらいいか分からないのでドラムで今巷で流行ってるウマ娘の曲を叩いてみようと思う。

 

どーキドキドキドキドキ!君の愛馬がぁ!ズッキュンドキュンーん!走り出しぃぃぃぃい!

 

ばきゅんぶきゅんかけてーゆーくぅーよぅー

 

こんなぁー気持ちはぁー初めてぇー!

 

と、迷走している46歳がこの上ない全力で叩く姿を見てもらいたい。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。