かあいがもん「お父さんの日記」

早いもので長男は29歳、次男は21歳になりました。

死ぬ前に

AM6:00

仕事に行こうと支度をしていると、頭にたいそうな寝グセをつけ次男が眠たそうに起きて来た。

「あら、おはよう、早いね」

と、わたくしが言うと

「朝風呂に入ろうと思って」

と、次男はアクビをしながら携帯をいじり始めた。

お前はホントに小学生か?と、ツッコミたくなるのは置いておいて、あまり時間が無いわたくしはバタバタと支度を続けた。

しばらくして支度を終えて仕事に行こうとすると次男がリビングの入り口のドアを開けたり閉めたり繰り返してるので、お風呂に入らないで何をしてるんだろうと思い、わたくしが聞くと

「パパをお見送りしてから朝風呂入る」

と、次男はわたくしと目を合わさず、ぶっきらぼうな口調で言った。

あら、嬉しい。もう父さん死んでもいいわ。

まぁ、今日、死ぬんだけどね撮影で。

あまりにも可愛いので次男の顔をワーシャワーシャすると笑顔でピョンピョン跳ねながらわたくしを見送ってくれた。

これから死ぬというのに、なんだか心が満たされてとっても温かい気持ちになりましたわ。

上手く死ねるか心配だけど父さん頑張る。

正確には殺されるのだけど。