「まご、孫が欲しい!」
夕ご飯の買い物をしている時、なぜだか急に、子供っていいなぁと、思いが込み上げて、一緒にいた長男に脈絡もなくつい言ってしまった。
「ま、孫ぉ!?」
長男は、何がなんだかわからないようなビックリしたような顔でわたくしを見ながら聞き返してきた。
まぁ、そりゃそのリアクションは当然だ。
「いやね、もう君も来年20歳になるじゃない、父さんが19歳の時に君が生まれた事を考えると、君が父親になってもおかしくない年齢なわけさ、それに父さんは君たちが全く手がかからなくなって自立してきたらなんだか急に子供が欲しくなってねぇ。今更ママに、子供が欲しい、なんて言ったら張り倒されるのがオチだろうし、かといって父さん他に家庭を作りたいとも思わないし、だから孫なら可能性があるんじゃないかと思ってさ。それに、君がまかり間違って、飲んだくれだったり大変なタイプの嫁さんを連れて来たとしても父さん、孫、の事だけならなんとか出来ると思うし、ママも孫が出来たら喜ぶとおもうなぁ」
みたいな感じでわたくしの勝手な気持ちを呟いたら、長男は少し笑いながら
「そんなに遠くはないんじゃない」
と。
嬉しかったなぁ。
まだ早いんじゃない、とか、子供はいらないとか言われたらどうしようと思ったけど、かなり父さんに期待を持たせてくれる言葉だったし、その言葉を言った長男の感じが、なんだか息子というより一人の大人だった。
まぁ、わたくしへの思いやりかもしれないけど。
おじいちゃんになる日も遠くはないかもしれませんですわ。